安全靴・作業靴の「JIS規格」と「JSAA」の違いについて
安全靴・作業靴をどれを買おうか調べているときに「JIS規格○種合格」や「JSAA規格○種」などが入った商品を見かけることがありますね?いつもは何気なく見ていた安全靴のJIS規格・JSAA規格について今回は説明をしていきます!是非最後まで見ていってください!
何が違うの?
まず最初に、安全靴・作業靴の安全性と耐久性はJISとJSAAという2つの規格・協会によって保障されています。
・JIS規格とは、日本工業規格(Japanese Industrial Standards)日本の工業標準化の促進を目的とする工業標準化に基づき制定される国家規格です。耐圧迫性、耐衝撃性、表底のはく離抵抗の安全規定が定められています。
Japanese Industrial Standardsの頭文字から、JIS(ジス)またはJIS規格(ジスきかく)と通称されています。
・JSAA規格とは、「安全靴のJIS規格品」と誤解を与えるような表示をしたものや、安全性能や耐久性に問題のある製品が多く見受けられます。そこで「一定の安全基準や耐久性」を満足する製品を供給することを趣意に、公益社団法人日本保安用品協会において、プロスニーカーの安全基準として規格を制定し、基準を満たした製品には、型式認定合格標章(マーク)とあわせて型式認定合格品タグ(正式名称:型式認定合格証明票)を取り付ける型式認定制が設けられました。
つま先に金属や硬質樹脂先芯を装備し、(公社)日本保安用品協会が定めた安全性や耐久性の認定基準を満たしているスニーカータイプの安全作業靴をプロテクティブスニーカー(プロスニーカー)、長靴タイプをプロテクティブブーツ(プロブーツ)とし、JSAA認定とし品質を保証しています。
Japan Safety Appliances Associationの頭文字から、JSAAと通称されています。
JIS合格品とJSAA認定品との大きな違いは使用できる素材と耐久性になります。JIS合格品は甲被が革製または総ゴム製(安全長靴など)に限られ、人工皮革製が多いJSAA認定品と比べて甲被の耐久性も高く、はく離抵抗の試験においても人工皮革製のJSAA認定品より高い耐久性が求められています。
簡単に説明すると
・安全性はJIS規格の方が高い
・デザイン性・履き心地はJSAAの方が優れている
といった感じになります!
JIS規格とJSAAの違い
JIS規格
JIS T 8101 安全靴 ・ JIS T 8103 静電気帯電防止靴
安全靴は、「主として着用者のつま先を先芯によって防護し、滑り止めを備える靴」と定義されています。
「主として着用者のつま先を先芯によって防護し、滑り止めを備える靴」と共に、静電気が原因となる災害を防ぐ靴として静電気帯電防止靴がございます。
JIS規格合格品は、上記2種類(JIS T 8101 安全靴とJIS T 8103 静電気帯電防止靴)がございます。
⇒JIS規格合格品商品一覧はこちらから
甲被による種類
・総ゴム製
耐油性のあるものとないもの。
ゴムの厚さや性能についても基準が設けられています。漏れ防止性の試験をクリアしなければなりません。
・牛革製
天然の牛革をクロム等でなめしたもの。革の厚さや性能についても基準があります。
作業区分による種類(記号)
・重作業用(H)
先芯の耐衝撃性能100J・耐圧迫性能15kN、表底のはく離抵抗300N以上あるもの。
ゴムの厚さや性能についても基準が設けられています。漏れ防止性の試験をクリアしなければなりません。
・普通作業用(S)
先芯の耐衝撃性能70J・耐圧迫性能10kN、表底のはく離抵抗300N以上あるもの。
・軽作業用(L)
先芯の耐衝撃性能30J・耐圧迫性能4.5kN、表底のはく離抵抗250N以上あるもの。
付加的性能(記号)
・耐踏抜き性能(P)
くぎの貫通時の力1,100N以上あるもの。
・かかと部の衝撃エネルギー吸収性(E)
衝撃エネルギー吸収性20J以上あるもの。
・耐滑性(F)
靴底の動摩擦計数0.20以上あるもの。
・足甲プロテクタの耐衝撃性(M)
足甲部への衝撃を緩和する性能を有するもの。
【 例 】
商品ページの商品詳細に「JIS規格T 8101 S種 E・F」と記載している商品の場合は、JIS T 8101 安全靴の合格品で甲皮は革製、S種は普通作業用に適している、かかと部の衝撃エネルギー吸収性(E)と耐滑性(F)が優れているものとなります。
JSAA
JSAA A種
・普通作業用
型式認定の指標となる耐圧迫性能、耐衝撃性能、表底のはく離抵抗について一定の基準を超える性能を有し、貨物運送・運搬業を始め、一般事務作業や清掃作業分野等の通常作業に適しています。
JSAA B種
・軽作業用
通常作業の中でも、軽量物を扱う作業や比較的良好な職場環境における軽作業用に適しています。
⇒JSAA 合格品の商品一覧はこちらから
共に、記載の職業はあくまで目安となります。付加的性能を有した製品もありますので、職場環境に合わせてお選びください。
JIS規格とJSAA規格を比べてみよう!
JIS規格合格基準とJSAA規格認定基準を比べてみました
JSAA A種 と JIS規格 T 8101 S種
JSAA B種 と JIS規格 T 8101 L種
これで比較してみます!
しかし、甲被の素材については、JIS規格は総ゴム製と牛革製を使用したものに限られます。JSAAの主な素材の人工皮革やビニルレザークロスは牛革に比べると耐久性は劣りますが、自由度が種類が豊富の為、JIS合格品と比べるとデザイン性が高くなります。
メリット・デメリット
JIS規格
・メリット
安全性が高く耐久性に優れている。
・デメリット
色やデザインの選択肢が少ない
JSAA規格
・メリット
素材や見た目の選択肢がありデザイン性が高い。
・デメリット
JIS規格合格品に比べて基準が低くJIS規格合格品ほどの安全性や耐久性はない。
まとめ
今回は安全靴のJIS規格・JSAA規格についてのお話でした!
JIS規格とJSAA規格はどちらとも安全性は高いと言えるでしょう。ただ色やデザインの選択肢が多いのはJSAA規格だと思います。JIS規格合格品指定の職場ではない方は安全性もあり、デザインもかっこいいJSAA認定品も選択肢に入れてみててはいかがですか?